飲食業界で働きたい! そう考えた時に、求人票のどこをチェックしますか? お給料や勤務時間、勤務地、キャリアアップ……。人によってチェックポイントはさまざまですが、福利厚生については記載されていない求人票もあります。実際に働いてみて「こんなはずではなかったのに……」と嘆く前に、飲食業界の福利厚生のリアルについて学びましょう。
この記事では、福利厚生ってどんな恩恵があるの? そして求人票での見極めポイントを指南します。
福利厚生が充実って、何があればいいの?みるべきポイント3つ
そもそも福利厚生とは何のことを指すのでしょうか。もしこれまで飲食業界で働いた経験がパートやアルバイトであったら、あまりピンとこない人もいるかもしれません。
一般的な「社会保険」
社会保険とは、健康保険や雇用保険、厚生年金保険、労災保険、介護保険の総称のことを言います。万が一働くことができない事態に陥った際に保険によるカバーができるというもので、一般的な会社員であればお給料から天引きされます。
福利厚生と社会保険の違い
福利厚生とは、社会保険も含め、企業が労働者に提供する制度やサービス全般のことを指します。内容は企業によってさまざまですが、メジャーなものに住宅手当や家族手当、社員食堂の設置などがあります。従業員にとっては働くモチベーションをアップさせてくれるサービスであり、企業にとっては福利厚生の充実によってブランド力も上がります。
飲食業界の福利厚生で見るべきポイントその①「社会保険完備」
一般の会社員なら当たり前に存在する社会保険ですが、飲食業界においてはまだまだ未加入であるところも多いのが実状です。社会保険はいざという時に自分と家族の生活を守ってくれる重要な制度です。リスク管理のためにも、社会保険を完備しているかどうかはチェックしておきましょう。
飲食業界の福利厚生で見るべきポイントその②「産休・育休の有無」
女性が飲食業界で働く際には、産休・育休の有無もチェックしておきましょう。せっかくの飲食キャリアを子育てで諦めることはもったいないです。
飲食業界の福利厚生で見るべきポイントその③「賄いあり」
一般的な会社員と飲食業界で働く人の大きな違いが、賄いがあることではないでしょうか。食費の節約にもなるし、美味しい食事は仕事の活力にもなります。
飲食業界は福利厚生が整っていない?
とくに社会保険だけ見てみると、「雇用保険のみ」加入であったりということも飲食業界あるあるです。とくに個人経営の飲食店であれば、その傾向が強いようです。
一方で大手企業が経営している飲食店や本部スタッフなどであれば、福利厚生が整っていることがほとんどです。
福利厚生は生活にもダイレクトに関わってくるものなので、長く働きたいと考える場合は求人票の福利厚生のチェックをお忘れなく。
福利厚生が充実しているとあったのに…
「福利厚生が充実!」と求人票には記載があったのにも関わらず、蓋を開けてみればまったく充実していない、というケースもあります。そんなケースに出会ってしまった時の対策法についても紹介します。
社会保険が完備されていなかった
個人経営の飲食店においては社会保険に加入する義務はありませんが、そうでないのに関わらず未加入のお店も存在します。そんな時はまず労基に相談を。そこまで事態が悪くなる前に、しっかり事前に社会保険の有無を確認しておくことが重要です。
そもそも休みが取れない
求人票には「月○日以上の休暇」と記載があったのに、人手不足が問題である飲食業界においては、休日もままならないケースもあります。休日にリフレッシュすることは従業員の権利でもあるので、上司に相談をしてみてください。
店主が福利厚生を理解していなかった
福利厚生=社会保険、それも雇用保険だけ、と思っている飲食店もあるので、この場合は法をかざして直談判してみてはいかがでしょうか。自分のポジションが危うくなるかもしれませんが、今後の被害者は減ることでしょう。
飲食業界における「福利厚生が充実」は鵜呑みにできない!?
タイトルは不穏ではありますが、実はその逆です。働き方改革により、飲食業界にも確実に良い風が流れつつあります。長時間労働の廃止、休日の増加、お給料アップなど、各企業も従業員が満足して働くことができるよう、企業努力を続けています。この調子であれば、福利厚生もますます充実していくことでしょう。
もちろん個人経営の飲食店と大手企業が経営する飲食店では福利厚生にも隔たりがありますが、その差も縮まっていくはずです。
ただし、現時点で飲食業界への転職を考えている場合は、面接時に福利厚生について詳しく聞いておくことが望ましいです。仕事+αのハッピーな要素があれば、楽しく笑顔で仕事を続けられるし仕事に対するモチベーションもアップします。