製パン、ブーランジェとは?
比較的安価で、アレンジが豊富なパンは女性を中心に大人気です。朝ごはんに、ランチに、ディナーに。多彩な表情を見せることが、パンの奥深き世界。そのパンづくりを業務として行うのが、製パン、ブーランジェの仕事です。
ブーランジェとは、フランス語で「パン職人」を意味します。フランスと言えば、パンの聖地!
活躍のステージは、街のパン屋さんだったり、パン工場であったり、カフェであったりとさまざまですが、どの現場においても、小麦粉などの重い食材を取り扱うので体力は必至です。また、現場によっては店舗での接客スタッフを兼任することもあります。
概して朝が早い仕事のため、早起きに慣れてない人ははじめは少々辛いかもしれませんが、勤務に慣れてしまえば常に焼きたてのパンと一緒にいることができる、パン好きには願ったり叶ったりの仕事です。
製パン、ブーランジェの仕事内容と平均収入
製パン、ブーランジェリーの仕事の基本は「パンをつくること」です。だけど一口にパンをつくる、と言っても、その仕事内容は業態によってさまざまです。詳しい仕事内容、収入に関して調べてみました。
仕事内容を詳しく調べてみました
基本的には開店前からの仕込み、実際のパンの製造、閉店後の片付けや翌日の仕込みを行います。個人店なら定休日を設定していることもありますが、大手企業であれば年中無休ということもザラです。
一方、パン工場でパンをつくる場合はどちらかと言うと調理補助的な意味合いが強く、製造工程の一部を担当する、ということが多いようです。
気になる平均収入は?
製パン、ブーランジェの仕事の平均年収は400万円台までが約75%を占めています。立ちっぱなしの業務であり、始業時間の早さなどを鑑みると決して高収入とは言えません。ただし、独立・開業をして人気店になった場合には、年収600万円をオーバーすることも! アルバイトの場合は、時給1,000円前後が一般的です。
参照:パン屋の年収【独立開業・個人経営】や店長の年収・都道府県別年収推移|平均年収.jp"
製パン、ブーランジェは未経験でもできる?
未経験からでも製パン・ブーランジェの職に就くことはできますが、その場合、清掃や販売などの仕事からスタートすることが多いようです。まずは現場で雰囲気に慣れてから……。そこから一つひとつ修行を行いますが、パンの専門学校などで学んだ場合は比較的未経験でも修行が短期間で済む傾向にあります。
職場によってもさまざまな個性や強みがあるので、自分がどのようなお店で何を担当したいのか。将来のキャリアプランなども踏まえた上で検討してください。
製パン、ブーランジェのやりがいや向いている人とは?
製パン、ブーランジェの仕事のやりがいは、自分がつくったパンが焼きあがった瞬間の感動に尽きます。もちろんこの職業に就きたいと思う人はパン好きであることでしょう。焼きたてのパンの鼻腔をくすぐる甘い香り。まさに至福の時間です。また、お客さまからの「美味しい」という言葉。今やパンは日本人にとってもお米に引けを取らない主食となっています。それが美味しい、と評価されるのなら、やりがいも十分に感じられることでしょう。
向いているのは、良い意味で几帳面な人。職人である以上、どの子(パン)も同じクオリティである必要があります。クオリティを保ちながら大量に生産するモチベーションも重要です。
リアルな口コミ・体験談からわかる製パン、ブーランジェの評判はこちら
私はアルバイトでパン屋の製造を担当していました。主にサンドイッチの調理、包装をしていました。調理台はお店の中からガラスの窓越しに見えるようになっており、緊張感もありましたが、丁寧に速く作業するよう意識の向上に繋がりました。お客様にも安心感を与えられたと思います。どの種類のサンドイッチをどのくらいの量を作るか、というのは自分の感覚に任されていたので、日々の売れ行きを見て勉強し、サンドイッチはお昼ご飯にも買われる方が多いので開店からお昼前までに1種類をたくさん作るのではなく、種類をたくさん作り、売れている物から補充という形にしたりと色々と工夫をしました。自分の工夫で売れ行きが良くなったりするととても嬉しく、やりがいを感じました。
(女性・20代)
パン屋さんのオーブンを担当していました。一番大変なところは朝が早いところです。まだ真っ暗な時間に起きて通勤するのが大変です。でも一旦仕事をはじめてしまえばとても楽しい仕事でした。成型担当の人が形にしてくれた生地を鉄板に並べたり具を乗せたりしながら、オーブンにパンを乗せた鉄板を何枚も入れるのですが、鉄板をあっちへ動かしたり向きを変えたりして焼き色を均一にするのが腕の見せ所です。おいしそうに焼きあがった瞬間が一番やりがいを感じる部分です。それをお店に並べた後も楽しみで、お客さんが自分が焼いたパンを選んでくれるとやはりすごく嬉しいものです。ときどき焼き過ぎたりして失敗することもあって申し訳ない気持ちになりますが、失敗したパンは自分で食べることができるという隠れた楽しみもあるのです。
(女性・40代)
店舗数はそこまで多くないですが、15店舗ほどあるパン屋の調理スタッフとして働いていました。パン屋はとても朝が早く3時頃から仕込みが始まる毎日でしたが、その日の天気や湿度に合わせて生地の配合を変えるなど、適当にやってしまうと出来上がりに差が生まれてしまうため、すべては勉強のつもりで頑張りました。元々両利きで手先が器用だったのですが、パン生地の成型も両手で上手にでき、先輩スタッフにも筋が良いと褒められることが時々あり、やりがいを感じました。パン生地だけでなくカスタードなどの具材の調理も段階ごとにマスターし、作れる種類が増えて楽しかったです。どの客層の方がどのパンを好むかと言ったマーケティングなど幅広くお店から任されスキルアップできる環境だったと感じます。
(女性・30代)
製パン、ブーランジェで働いた感想としては、とにかく「朝が早い」ということ、テキパキと作業しなければ、自分一人で完結しないので、一緒に働くスタッフに迷惑がかかってしまうということを常に意識する必要があり、緊張感と隣り合わせの仕事であったと言えます。たとえば、パン生地一つにしても解凍させてから成形し、発酵、その後、窯担当が焼き上げていき、並べていくといった作業工程を人海戦術で行うことになりますので、どこかの作業で支障が出れば、たちまち皆が困ってしまうからです。個人的には、キッチンから見えるお客様の笑顔が救いになり、自分の作ったものを手にとってもらうことのできる製造者冥利につきるやり甲斐のある仕事だと思いました。
(女性・30代)