女将・和装ホールとは?
飲食業界における女将・和装ホールは、従業員が着物着用でお客さまに接客する仕事です。旅館などでは着物姿での接客はお馴染みですが、従業員が着物を着用する飲食店となると、料亭や老舗のお店など客単価が高額な高級飲食店であることがほとんどです。
女将は、そうした飲食店の女主人で、基本的にはお客さまのお出迎えや経営に関する仕事に携わります。食事の提供など、直接的なお客さまへのおもてなしは和装ホールが担当します。
和装ホールについては、ほとんどアルバイトなどで構成されています。
女将・和装ホールの仕事内容と平均収入
飲食店における女将・和装ホールはどのような仕事を行うのでしょうか。テレビドラマなどでは、個室でお客さまにつきっきり、というイメージがありますが、実際はそんなわけではないようです。
仕事内容を詳しく調べてみました
女将は、お店の店長的な存在です。お客さまのおもてなしから顧客管理、従業員への指導、経営まですべてのことに関わります。また、女将がいるような高級な飲食店では、季節に合わせた空間のしつらえ(空間づくり)も女将の仕事となります。
一方で和装ホールは、食事や飲み物の提供など接客がメインとなります。お出迎えやお会計、お見送りまでを行います。高級な料亭になると、1組のお客さまに1名のスタッフがお出迎えからお見送りまですべて専属で対応することもありますが、着物が制服のフランクな和風居酒屋などはそうとも限らず、「着物着用のホールスタッフ」なこともあります。
気になる平均収入は?
女将・和装ホールが存在する飲食店は高級な証、といったイメージがありますが、その収入も高級です。女将(女将候補)であれば、月収30万円以上も可能です。和装ホールであっても正社員なら月収20万円以上。アルバイトやパートでも時給1,300円程度となり、安定した収入を確保できます。
参照:女将・和装ホールの求人情報一覧|飲食店の求人・転職サイト クックビズ
※実際の求人を元に平均給与を算出しました。(2019年7月現在)
女将・和装ホールは未経験でもできる?
どちらのポジションも、旅館ではなく飲食店勤務の場合は未経験可の求人が多いです。ただし、採用されたとしても高級店であればあるほど「和」ならではの基本作法や言葉遣い、着付けなどについて修行する必要があるようです。さらに、女将の場合は、まずは現場スタッフとして学んだ後に正式に女将に昇格することがほとんどで、いきなり女将のポジションに就くのは経験者でない限り難しいと思われます。
一方、和装ホールについては、まったくの未経験からすぐ現場デビューが可能。働きながら経験を積むことができるので、将来的に飲食店の女将を目指したい、という人にとっては近道になります。
女将・和装ホールのやりがいや向いている人とは?
女将・和装ホールの仕事に向いているのは、着物が好きな人です。着付けは先輩スタッフが丁寧に教えてくれるので、自信がなくても大丈夫です。また、高級店であればあるほどVIPのお客さまや海外からのゲストと触れ合うこともできるので、そうした世界を垣間見たい、という人にも向いています。
やりがいは、仕事を通じて、接客&着付けスキルと上品な所作が身につくことでしょう。例えばマナー教室に通ってこうしたスキルを学ぼうとしたら、結構な出費になります。働いて収入を得ながら一生役に立つスキルを得られることが、この仕事の大きなメリットです。
リアルな口コミ・体験談からわかる女将・和装ホールの評判はこちら
私は女将ではないですが、ホールで働いていました。求人を見て応募した所がたまたま和装で面接時にどうしよう…と思ったのを覚えています。もともと和装の経験も七五三程度で着付けなんてしたこともありませんでしたが女将さんが1から教えて下さり自分で着付けが出来るようになりました。最初のうちは気慣れていないせいかお座敷への配膳の際足元がはだけてしまったり、袖元を汚してしまったりして動きにくいな…と思っていたのですが慣れてしまえば立ち振る舞いも覚えそんな事もなくなりました。着物を切ると姿勢が良くなると言うのは本当の様で学生時代猫背だったのですが今では周囲の方から姿勢いいね!と言われるようになりました。残念ながらお店が閉店したので退職したのですが、もし閉店してなければ未だに続けていたかも…と思う程楽しかったです。退職してからプライベートで和装をする機会があったのですが、教わっていたおかげでスムーズに着付けが出来たので、その際改めて教えて下さった女将さんに感謝しました。今は和装を敬遠する若い方もおられますが、慣れてしまえば楽に動いたり、立ち振る舞いの勉強にもなるのでチャレンジしてみてもよいのでは?と思います。
(女性・30代)
和装だったので着替えが心配な方も多いと思いますが、簡単に着脱できる制服が用意されています。また動きにくい方も心配でしたがそこも考慮されていて特に問題ありません。また年配の方も多く丁寧に優しく教えてくれます。年配の方が多いので長く働ける職場だと思いパートでも、社員でも安心です。また懐石料理をメインに取り扱っていたので、メニューをたくさん覚えることもなく、スムーズに仕事に入ることができます。お会計等の心配ですが、そこは慣れた方が入って下さるので安心です。主に配膳の仕事がメインでしたので、難しい事はあまりない仕事内容です。よく動き、配膳も便などがあったり重たいこともたまにありますが、そのおかげか働く前より少し体が引き締まった感じられます。仕事をしながら健康にも良いことをしているような気がして一石二鳥です。
(女性・30代)
京都の旅館で主に修学旅行生などを対象とした接客を行っていました。業務の主な内容としては部屋の片づけや食事の配膳などで、社員2:契約社員3:アルバイト5といった割合だったと思います。主に現場を回すのは経験年数の長い契約社員であり、40~50代の女性の方が強い権限を持っておられたような印象があります。同じグループではなく毎日異なったシフトのメンバーで業務を行うので、仕事がしやすい人と仕事をしにくい人がありメンバーによっては業務が回りにくい事もありました。指導は比較的厳しかったと思いますが丁寧に細かい気配りなどを教えていただいたので、その後転した後もその時の経験が生かされてきめ細かな気配りができるようになったと思います。
(男性・30代)
和装をしなければならないホールで働いていましたが、大変でしたが人間関係が良かった為、大変さより楽しさの方が勝っていました。着付けについて、全くわからないところから始まりましたが、着付けも無料の研修で教えて頂けたので、今は1人で簡単な着物だと着られるようになったのは、普通のホールでは身につかないと思いますし、勉強になったと思います。また、着付けに慣れない頃は年上の方や主婦のパートで来ている方とかが着るのを手伝ってくれてありがたかったです。飲食店としても、価格設定が高いところだったので、落ち着いている方や時間に余裕がある方たちばかりだったので、焦らずに仕事を丁寧にできることの方に重きを置かれていた為、1つ1つ仕事を丁寧にこなしていけたのもありがたかったです。
(女性・30代)